道を聞きたいのですが、
どう行ったらいいんですか。
(訳:あー、こう行ってこう行ってこう行くといいですよ。)
なんて言いましたか?
この方言は熊本弁です。
実際に熊本で道を聞くと
このように言われます。
何を言っているのか分からず、
思わず聞き返してしまいますよね。
このように熊本には一度聞くと耳から離れない面白い方言がいっぱいあります。
なかには、使うと便利な方言もあるので、
機会があればぜひ使ってみてください。
熊本県でも県北と県南では方言が少し違いますが、今回は県内全域でも通じる面白い熊本弁を紹介していきます。
他県民もぜひ使ってほしい便利な方言【あとぜき】
あとぜきって
言葉を最近どこかで聞いたり、
見たりしたことはありませんか。
あとぜきとは、
「最後の人がドアを閉めてください」
という意味です。
学生の頃、他県の友達にドアが開いていたので
「あとぜきして」と言ったら
「え?なにそれ」と言われたことで
方言だと知りました。
他県民にはまったく通じませんでした。
熊本県民は小さい頃から
周りにお行儀として教えられて育ちます。
学校の教室や図書館にも「あとぜき」と書かれた張り紙が貼ってありました。
熊本県民は実際に普段の生活で使っているので、その友達にあとぜきが通じなかった時は本当にびっくりしました。
「最後の人がドアを閉めてください」を
「あとぜき」
という4文字で表すことができる便利な方言ですので、
他県民の方も使われてみてはいかがでしょう。
道案内は右も左も直進も「ぎゃん」で解決!?
熊本県民に道を聞くと大抵
「ぎゃんいってぎゃんいってぎゃんいくとよかよ」
と言われます。
(訳:こういってこういってこういくといいですよ)
右も左も直進も「ぎゃん」なので
熊本県民の私も分からない時があります。
父に道を聞くと省略なのか
「ぎゃんぎゃんぎゃん」
って言われ、分からなくてもう一度聞くと、
「ぎゃんだろ、ぎゃんして、ぎゃんや」
とぎゃん以外が変わっただけでやっぱり意味が分からずに思わず笑ったことも。
熊本県民の私でさえこんな感じなので、
他県民の人には本当に伝わっているのか心配になりますね。
飲み会で最初にビールを注文する時は「さしより生ば!」料理は「んまかー」
熊本県民は、飲み会でメニュー表を見ないうちに
「さしより生ば!」
(訳:とりあえず生を!)
とまず生ビールを注文し、
その後メニューを見ながら料理を注文していきます。
『さしより』が熊本弁ってことを社会人になって知りました。
熊本県民は20歳になったら一度は言ってみたい言葉ではないでしょうか。
あまりアルコールが得意ではないわたしは、
これを言いたいがために生ビールを注文したこともあります。
他にも食事をしていて
このご馳走はおいしいは
「こんごっつおは、んまかー」
といいます。
逆においしくないときは
「んもんにゃー」
です。んを強調して言うのがコツになります。
「すーすーすー」や「とっとっと」と同じ言葉を3回繰り返す熊本弁も!?
「あたげはすーすーすーね」
(訳:あなたの家はすきま風がスーと入ってと寒いね)
「おっげもすーすーすたい」
(訳:私の家もすきま風がスーと入って寒いよ)
友達の家なんかに行った時、
ドアや窓が少し開いていてすきま風が入るとスーとしますよね。
こんな時に使います。
自分の家は「おっげ」です。
「とっとっと」
(訳:場所をとっている)
このように熊本弁にはまったく同じ言葉を3回繰り返す方言もあります。
熊本弁は短縮される言葉も多いため、
他県民の方は何を言っているのかさっぱり分からずクスリと笑ってしまうこともあるかもしれませんね。
熊本弁の励むという意味の方言「がまだす」本来は頑張るといった意味はない!?
熊本県民は普段から
「がまだす」を使うのですが、
この言葉がよく使われるようになったのは
やはり熊本地震の後からではないでしょうか。
勘違いしてほしくないのですが、
この「がまだす」という言葉は
精をだす・仕事などに励むといった意味で、
頑張るといった意味はありません。
ちなみに県南や天草では
がまだせと同じ意味の言葉で「せしかう」といったりします。
そして、「がまだしもん」は
働き者という最高の褒め言葉です。
よく考えてみると「がまだせー」は
相手に発破をかけるような言い方です。
「がまだせ熊本」は本来なら
『働かんか、(働きなさい)熊本』という意味になります。
まったく頑張れといった意味はないのです。
これを考えた人は
がまだす=頑張ろう
と勘違いし、それが世間に広まってしまっているのかもしれません。
がまだす本来の意味を知っている方が聞くとなんとなく疑問に思ったり、
「なんてやー」と怒ってしまいますよね。
最後に
今回は県内全域でも通じる面白い熊本弁を紹介しました。
ポイント
- あとぜきとは、
「最後の人がドアを閉めてください」
という意味です。 - 熊本県民に道を聞くと大抵
「ぎゃんいってぎゃんいってぎゃんいくとよかよ」
と言われます。 - (訳:こういってこういってこういくといいですよ)
- 「さしより生ば!」
(訳:とりあえず生を!) - 食事をしていてこのご馳走はおいしいは
「こんごっつおは、んまかー」といいます。
逆においしくないときは「んもんにゃー」です。 - 「あたげはすーすーすーね」
(訳:あなたの家はすきま風がスーと入ってと寒いね) - 「おっげもすーすーすたい」
(訳:私の家もすきま風がスーと入って寒いよ) - 「とっとっと」
(訳:場所をとっている) - 「がまだす」という言葉は
精をだす・仕事などに励むといった意味で、
頑張るといった意味はありません。県南や天草ではがまだせと同じ意味の言葉で「せしかう」です。
「がまだしもん」は
働き者という最高の褒め言葉。
いかがだったでしょうか。このように面白い熊本弁はまだまだあります。この機会にぜひ熊本弁を調べてみたり、実際に使ってみてください。
最後までよんでくださり、ありがとうございました。